IKURA FAN MOTOR
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技術資料136技術資料一般的な装置を対象に「必要とされる風量特性」の求め方を説明します。1. 装置内部許容温度、設計値明確化、装置内部温度の設  計値を何℃以下にするか明確にします。2. 装置内部の発熱量計算3. 必要風量の計算  計算式で必要とされる風量を計算します。4. システムインピーダンス(管路抵抗)の考慮5.システムインピーダンス計算式   P=KQn      P:低下圧力(Pa)      K:装置固有の定数    n:空気の流れにより定まる定数   n=1層流時    n=2乱流時 *通常n=26.ファンの選択  計算した必要風量Qと取り付けようとする  ファンサイズからファンを選定する。  選定例)軸流ファンとブロワーファンとでは、性質上、静圧一風量特性曲線に大きな違いがあります。軸流ファンは管路抵抗小(図2参照)のとき高い風量が得られ、管路抵抗が増加すると共に得られる風量が大きく減少する性質があります。これに対しブロワーファンは、軸流ファン同等のモーターを使用しても、高風量を得ることができず得られる風量は小ですが、管路抵抗大の場合でも得られる風量に極端な落込みがなく風量を維持する性質があります。■ ファンの選定■ 軸流ファンとブロワーファンとの相違点装置内各部品の入力電圧及び消費電流などにより、発生する熱量を求めます。装置内のシステムインピーダンスは、その装置が構成されている各部品による密集率、管路形状から決定される装置固有のものですが、空気の流れが妨げられると損失となり、この圧力損失のことをシステムインピーダンスと呼びます。システムインピーダンスは計算式で求めることができますが、その装置固有の定数を知る必要があり内部の管路容積を寸法から追って計算しても求めることは難しいため、一般的には最大風量が必要風量の1.3倍~2倍のファンを選択します。装置内部の密集率で圧力損失が変わってきますので、目安として必要風量は管路抵抗が小の場合:1.3倍、中の場合:1.5倍、大の場合:2倍するとほぼ要求する風量となります。図1 装置内部発熱について図2 システムインピーダンス(管路抵抗)と風量特性の関係計算値の明確化装置内最大温度 T2=55 [℃]外気周囲温度  T1=25 [℃]装置内の発熱量 W =0.5[kW]発熱量Hから風量Q1を求めるQ1=H/〔γ・Cp・(T2-T1)・60〕Q1 : 試算風量[m3/min]H : 発熱量[kcal/h]γ : 空気重量1.2[kg/m3]Cp : 空気比熱0.24[kcal/kg・℃]T1 : 外気温度=吸気温度[℃]T2 : 装置内温度=排気温度[℃]損失電力: 1[kW]=860[kcal/h]Q1=860/〔1.2・0.24・(T2-T1)・60〕=49.8W/(T2-T1)=49.8・0.5/(55-25)=0.83[m3/min]管路抵抗等の損失を考慮し、目安 : 中として試算風量の1.5倍とすると必要風量Q[m3/min]は、Q≧1.5・Q1≧1.245[m3/min]カタログよりファンを選定する

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