IKURA FAN MOTOR
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技術資料138技術資料■ 衝撃強度図1の曲線は、軸流ファンの風速分布を表したものです。図1からもわかるように吸込側と吐出側の風速は相違します。特徴としては、1.吸込口側の風速分布域は、微弱で短距離地点から広角上に吸込もうとします。2.吐出口側の風速分布域は、到達距離が長く、ほぼ直線上に強い風速を発生します。3.風速は羽根外周部が最も高く、その直線上に高風速域帯 が発生し、羽根面全体で送り出すことにより周囲に拡散していきます。漏洩磁束による問題は、まず大抵の場合ディスプレー画像の揺れなどの影響だと思いますが、ファンは単相2極くまとりコイル誘導電動機のため、モーターコイルが巻かれている部分に最も強い磁束を発生しますが、磁束は必ずN極からS極へ流れる性質があるため、最も強く磁束を発生している巻線コイル部から異極の巻線コイル部へと楕円を描くように磁束を発生させます。下敷き上の砂鉄に棒磁石をあてた時のことを思い出して下さい。対策としましては1.距離を確保する2.ファン外周を鋼板で覆いシールドする3.取付け位置、又は方向(角度)を変える4.入力端子の極性を入れ替えることによって、偏光コイルとの磁気極性方向を変える5.偏光コイルとファン間をシールドする上記のような対策で効果を得られることもありますが、使用状況によっては効果がないこともあります。■ ファン風速分布特性■ 漏洩磁束の問題と対策方法図1 風速分布曲線図中の数字は風速を現す(m/sec)風速分布曲線(S4506シリーズ)■ 羽根枚数、フレーム形状及びファン取付け部 形状による騒音発生原因について騒音の項で少し触れますが、軸流ファンの場合、騒音として最も影響を与えるのは、吸排気音です。特に吸込み側の外周部で発生しますが、吸込み側の外周部は周速が早く面積的に広く、又流量も多いため風の流れがランダムとなり干渉現象が起き高い音となります。吐出側の方がその影響は少なくなります。更に要因を細分化しますと1. ファン設計上の問題●羽根形状●フレームリブ本数と羽根枚数との関係●フレームリブと羽根(吸込み口)交差角度●フレーム内径(ベンチュリー)形状●羽根材質2. ユーザー側の問題●ファン取付け部正面の設計形状ファン吸気口に網目状のガードを使用してファンの羽根との交差角に問題がないか、極力面状ではなく点状で風を切れる形状をとるようにして下さい。●システムインピーダンス動作位置サージング域に動作ポイントがある場合、吸気音が高くなることがありますので、サージング域を避けて使用して下さい。3. ファン並列使用時の騒音並列運転した場合に相互干渉にて騒音が高くなることがあります。干渉音を押える方法については、「並列運転、直列運転について」をご参照下さい。ファンモーターには精密級のボールベアリングを使用してますので、衝撃を与えないようにしなければなりません。落下衝撃に関しては耐えられる大きさを数値で表すのは難しく、同じ距離における落下衝撃でも落下方向及び落下角度によっては与える衝撃が全く異なります。弊社としては下記内容にて確認しています。1. 単品落下、衝撃試験(ベアリング耐衝撃)●試験条件コンクリート床の上に厚さ10mmの木板を置き、ファンを自然落下させる。●落下高さ及び規格●落下高さ40mm:軸受音を除く軸受部に異常なきこと●落下高さ500mm:外観構造上異常なきこと2. フレームリブ強度(フレーム外角とモーター間)代表機種S4506シリーズ(120×38mm)を下記に示します。●リブ3本の破断荷重:1373N(リブ1本の破断荷重:461N)●衝撃力に換算した値:3432m/s2(リブ1本当り:1152m/s2)※ローターとステータの合計荷重=400g

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