IKURA FAN MOTOR
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技術資料140技術資料1. 並列運転の場合2. 直列運転の場合同じ特性のファン2台を、並列運転または直列運転することにより、特性を変化させることができます。図1に示すように並列運転した場合には、最大風量が1台運転時の2 倍となり、又、図2に示すように直列運転した場合、最大静圧が2倍に理論上変化します。ここで2台並列運転で2倍の風量、3台並列運転で3倍の必要風量が得られると言う訳ではなく、システムインピーダンスの動作点が変化するので注意して下さい。風量の増加に伴い抵抗は2乗で増加するので、システムインピーダンスの動作点も変化することになります。■ 並列運転、直列運転について図1 並列運転時の静圧-風量特性図2 直列運転時の静圧-風量特性並列運転時、一つ注意しなければならない点はシステムインピーダンスが高い場合、又は近接した並列状態での運転では、空気流を取入れなければならない装置吸込側から吸入せずに、一方のファンから吸込み、もう一方のファンへ吐出すと言う現象が発生することがあります。この現象は、互いの空気量の取り合いから起るもので、モーターに過負荷を与え回転にブレーキをかけるため発生します。この状態になりますとファン特性の低い方あるいは立ち上がりが遅れた方は、他方のファンに引張られ著しく回転速度が低下して最悪の場合はファンが逆回転し、長時間の使用ではモーターを焼損してしまうことがありますので注意して下さい。直列運転時においても、互いに干渉し合いモーターに過負荷をかけるので、ファンを選定する際は十分に検討する必要があります。並列運転時の対策として、●ファン間隔を広げる●ファン間に仕切板を入れる●システムインピーダンスを下げる(装置内部密集率を改善する)などのことで効果が得られる場合もありますが、効果の無い場合もあります。直列運転時の対策については、●ファン同士を直結せず間隔をあけるなど考慮して下さい。フィルターキットをファンに取付けることにより、風量特性が2~3割減少しますのでファン選定時に考慮する必要があります。又、フィンガーガードに関してはほとんど影響がありません。ファンを装置に組込む際、フィンガーガードやフィルターなどのオプション類を取付けることにより安全性、信頼性を向上させることは重要ですが、送風抵抗となり、静圧-風量特性、騒音に影響を及ぼしますので検討の際は考慮して下さい。■ 相互干渉による起動・回転のトラブル防止■ オプション、フィルターキット取付けに よる静圧・風量特性の変化

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